歯のコラム
2025年11月14日

インプラント治療に年齢制限はある?治療を受けられないケースも

こんにちは。由布市庄内町の歯医者「小野歯科医院」です。

インプラントのイメージ

インプラント治療は、失った歯を補うための選択肢として広く知られるようになりました。見た目の自然さや噛む力の回復といったメリットがある反面、手術を伴う治療であるため、年齢制限はあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

とくに「自分の年齢でインプラント治療は受けられるのか?」「高齢者でも問題はないのか?」といった疑問は、患者さんだけでなくご家族の方からもよく寄せられる質問です。

今回は、インプラント治療における年齢制限の有無や、治療を受けられない方などについて解説します。高齢の方がインプラント治療を受けるときの注意点についても解説しますので、インプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは

インプラント治療の口腔内イメージ

インプラント治療とは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を装着する治療法です。一般的には、チタン製のインプラント体が使用され、生体親和性が高く、骨としっかり結合する性質があります。

この治療は、入れ歯やブリッジと比べて見た目が自然で、ほかの健康な歯に負担をかけず、自分の歯のような噛み心地を得られる点が大きなメリットです。

ただし、インプラント体を埋め込むための手術が必要であり、治療期間も数ヶ月に及ぶため、誰もが気軽に受けられるわけではありません。

そのため、インプラント治療を受ける際には、患者さんの全身状態や口腔内の環境、さらには年齢なども考慮したうえで、慎重に適応の判断が行われます。

インプラント治療に年齢制限はある?

インプラント治療に年齢制限はあるのか疑問を持つイメージ

インプラントは年齢を問わず注目されている治療法ですが、実際に年齢制限はあるのでしょうか。

結論からいえば、インプラント治療に厳密な年齢制限は設けられていません。治療が可能かどうかは、年齢そのものよりも、顎の骨の状態や全身の健康状態に左右されます。たとえば、80代の方でも条件が整っていればインプラント治療を受けられるケースもあります。

一方で、若年層では注意が必要です。顎の骨の成長が完了していない10代では、インプラントを埋め込んだあとに骨が成長を続けることで、位置がずれるリスクがあります。そのため、一般的には骨の成長が完了する20歳前後からが治療の対象となります。

つまり、年齢よりも骨がしっかりと成長しているか、健康状態が治療に適しているかといった条件のほうが重要なのです。

年齢にかかわらずインプラント治療を受けられないケース

インプラント治療を受けられない糖尿病患者のイメージ

ここでは、年齢に関係なくインプラント治療を避けるべき主なケースについてご紹介します。

全身疾患がある

糖尿病や心疾患、骨粗しょう症などの全身疾患を持っている方は、インプラント手術によるリスクが高くなります。特に糖尿病は血糖値のコントロールが不安定な状態だと、傷の治りが遅くなり、インプラント体と顎の骨の結合がうまくいかないリスクがあるのです。

持病がある場合は、主治医と連携し、全身状態を十分に管理したうえで治療が可能かを慎重に判断する必要があります。

骨量が不足している

インプラントを支えるためには、一定の骨量と骨密度が必要です。

歯を失ってから長期間が経過していると、顎の骨が吸収されて骨量が減少していることがあります。このようなケースでは、そのままではインプラントを固定することができないため、骨造成手術(骨を増やす処置)が必要になる場合があります。

治療の可否は、CT撮影などの画像検査によって判断されます。

顎の骨の成長が終了していない

成長期の子どもや10代の若年者では、顎の骨がまだ発育途中にあるため、インプラント治療の適応外とされることが一般的です。インプラントは一度埋入すると動かすことができないため、成長による骨の変化で歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、一般的には、骨の成長が安定する20歳前後以降に治療が検討されます。

喫煙習慣がある

喫煙は血流を悪化させ、傷の治癒を遅らせるだけでなく、インプラントの成功率を低下させる大きな要因の一つです。

喫煙者は非喫煙者と比べて、インプラント体が顎の骨としっかり結合しない可能性があります。そのため、多くの歯科医師はインプラント治療前後の禁煙を強く勧めているのです。

しっかりと口腔ケアができない

インプラントは人工物のため虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎にはかかる可能性があります。

インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織に炎症が起こる疾患です。進行するとインプラントを支える骨を溶かしてしまい、最悪の場合にはインプラントが脱落する可能性があります。

そのため、毎日しっかり歯磨きができない方、定期的なメンテナンスを継続できない方には、治療が推奨されません。

妊娠している

妊娠中の女性に対しては、基本的にインプラント治療は避けられる傾向にあります。手術に伴うストレスや麻酔の使用、レントゲン撮影などによる胎児への影響を避けるためです。

治療を希望する場合は、出産後に体調が安定してからの実施が望ましいとされています。

高齢者がインプラント治療を受けるときの注意点

インプラント治療の説明を受ける高齢女性

高齢になってもインプラント治療は可能ですが、年齢特有のリスクや注意点があるため、事前の確認が重要です。以下に詳しく解説します。

全身疾患の有無

高齢者の場合、糖尿病や高血圧、心臓病などの慢性的な疾患を抱えている方が少なくありません。これらの病気がある場合、手術に対するリスクが高くなるため、主治医と連携し、治療を安全に進めるための体制を整える必要があります。

また、服用中の薬剤が治癒や出血傾向に影響を与える場合もあるため、事前の確認が重要です。

顎の骨の状態

年齢を重ねると骨密度が低下しやすく、顎の骨も脆くなる傾向があります。インプラント治療では顎の骨でインプラントをしっかり支える必要があるため、十分な骨量が確保できない場合には、骨を増やす処置や代替治療が検討されることになります。

事前に精密な検査を行い、骨の状態を正確に把握することが大切です。

口腔内の清潔さ

高齢になると手の動きが不自由になる方もおり、口腔ケアが十分に行えない場合があります。インプラントを長持ちさせるためには、日常的な歯磨きだけでなく、歯科医院での定期的なクリーニングとメンテナンスが不可欠です。

ご家族や介護者の協力も含めて、清潔な口腔環境を維持できるかどうかが重要な判断材料となります。

治療への理解と協力

インプラント治療は、診断から治療、術後のケアまで含めると数ヶ月にわたる長期的な治療です。そのため、患者さんご本人が治療内容を理解し、継続的に通院できるかどうかも大切な要素です。

認知症の有無や、治療への協力姿勢なども、治療適応の判断に大きく関わってきます。

治療後のメンテナンス

インプラント治療が成功したあとも、メンテナンスが不十分だとインプラント周囲炎のリスクが高まります。高齢者では免疫力が低下しやすいため、細菌感染への注意も必要です。

定期的な通院と口腔内のチェック、専門的なクリーニングを継続することで、インプラントを長期的に維持することが可能になります。

まとめ

インプラント治療した歯を指さす男女

インプラント治療は、見た目や機能性に優れた選択肢であり、年齢を問わず多くの人に選択されています。

ただし、治療が可能かどうかは年齢そのものではなく、全身の健康状態や顎の骨の状態、日常の口腔ケアが行えるかどうかといった条件によって決まります。若年者では骨の成長の有無、高齢者では持病や認知機能、メンテナンス能力などが判断材料になります。

また、喫煙や妊娠など、特定のライフステージや生活習慣によっても適応が左右されることがあります。インプラントを検討する際には、信頼できる歯科医院でよく相談し、自分にとって最も安全で適切な治療方法を選択することが大切です。

インプラント治療を検討されている方は、由布市庄内町の歯医者「小野歯科医院」にお気軽にご相談ください。当院は、30年以上の経験を持つ院長が一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

一般歯科からマウスピース矯正やインプラントなどの治療も行っていますので、お口のお悩みはぜひご相談ください。当院の診療ページはこちらネット予約も受け付けておりますので、ご活用ください。

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