歯のコラム
2025年11月21日

根管治療とは?治療の流れや費用、メリット・デメリット

こんにちは。由布市庄内町の歯医者「小野歯科医院」です。

根管治療のイメージ

歯の内部にまで進行した虫歯や外傷によって神経が炎症や感染を起こすと、根管治療(こんかんちりょう)が必要になります。根管治療は、一般的に神経を抜く治療ともいわれており、痛みを取り除くだけでなく、自分の歯をできるだけ長く残すために欠かせない治療法です。

しかし、実際にどのような処置が行われるのか、何回通う必要があるのか、費用はどれくらいかかるのかなど、不安や疑問を感じる方も少なくありません。

今回は、根管治療の基本から適応となる症状、治療の流れ、費用、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。根管治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

根管治療とは

根管治療について説明する歯科医

根管治療という言葉は聞いたことがあっても、その具体的な内容を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

根管治療とは、歯の内部にある神経や血管が通っている根管(こんかん)という部分を治療する処置のことです。主に虫歯が神経まで進行した場合や、外傷によって歯の内部が傷ついた場合に行われます。

この治療では、炎症や感染を起こした神経を取り除き、根管の中を丁寧に清掃・消毒したうえで、薬剤を充填して密封します。根管の内部は非常に細く複雑な形をしているため、治療には高度な技術が必要です。

根管治療の目的は、歯の内部に侵入した細菌を取り除き、再感染を防ぐことで、歯を抜かずにできるだけ長く使い続けられるようにすることです。歯の根の中の問題は、見た目ではわかりにくく、放置すると激しい痛みや腫れ、さらには歯を失う原因にもなります。

そのため、根管治療は歯を残すための最後の砦といわれるほど重要な治療法なのです。

根管治療の適応となる主な症状

歯の神経の模型と治療器具のイメージ

根管治療は、すべての歯のトラブルに対して行うものではなく、特定の症状や状態に対して必要となる治療です。ここでは、根管治療の対象となる代表的な症状について詳しく見ていきましょう。

虫歯による感染

虫歯は初期のうちは表面のエナメル質や象牙質に限られますが、進行すると歯の内部にある神経(歯髄)にまで細菌が到達することがあります。この状態になると、強い痛みやズキズキとした違和感、冷たいものや熱いものにしみるといった症状が現れます。

神経が炎症を起こしたまま放置すると、やがて神経が死んでしまい、痛みが一時的に治まることもありますが、それは治ったわけではありません。根の先に膿がたまると、再び強い痛みや腫れを引き起こす恐れがあります。

このように、虫歯が神経まで進行した場合には、感染した歯髄を取り除いて根管の中をきれいにする根管治療が必要になります。適切な処置を行うことで、歯を抜かずに機能を保つことが可能になります。

外傷によるダメージ

転倒やスポーツ中の接触、事故などによって歯を強くぶつけると、外見上は問題がなくても歯の内部の神経が傷ついていることがあります。特に前歯に多いこうした外傷は、時間が経ってから症状が現れることも少なくありません。

神経が損傷すると、血流が途絶えて歯髄が壊死し、細菌が侵入しやすくなります。その結果、歯が変色したり、根の先に膿が溜まったりすることがあるのです。また、痛みが出ないまま悪化するケースもあり、気づいたときにはすでに深刻な状態になっていることもあります。

このような場合も、根管治療によって内部の損傷した神経や感染部分を取り除くことで、歯を残すことができます。外傷によるトラブルは見逃されがちなので、歯をぶつけた際には念のため歯科医院で検査を受けることが大切です。

根管治療の流れ

根管治療について歯科医がレントゲンで患者に説明する様子

根管治療は1回で終わるものではなく、複数のステップを経て丁寧に進めていく必要があります。 ここでは、根管治療がどのような流れで進められるのか解説します。

診断と治療計画の説明

はじめに視診や触診に加えて、レントゲン撮影やCT撮影などの画像検査を行い、どの部分に炎症や感染があるのかを詳しく調べます。そのうえで、根管治療が必要かどうかを判断し、患者さんにわかりやすく治療内容や回数、期間、費用の目安などを説明します。

感染組織の除去

根管治療の初期段階では、まず歯の内部にある感染した組織を取り除く処置が行われます。具体的には、虫歯や細菌によって傷んだ歯質や、炎症や壊死を起こした神経(歯髄)を除去していきます。

歯の上部に小さな穴を開けて根管へアクセスし、専用の器具を使って慎重に感染源を取り除いていきます。この作業は非常に繊細で、目に見えない細い管の奥まで処置が必要となるため、高い技術が求められます。

この工程を丁寧に行うことで、痛みや腫れの原因を取り除くだけでなく、治療後の再感染のリスクも大きく減らすことができます。根管治療において非常に重要なステップのひとつです。

根管内の清掃・消毒

感染組織を除去したあとは、根管の中を細い器具で清掃し、薬剤を使って徹底的に消毒します。根管は非常に狭く、枝分かれしていることもあるため、細菌を取り残さないように丁寧な処置が求められます。

この工程が不十分だと、のちに再感染を引き起こす原因となるため、数回に分けて行うこともあります。

根管充填

清掃と消毒が完了したあとは、根管の中に細菌が再び侵入しないよう、薬剤でしっかりと封鎖します。この工程を根管充填といい、専用の充填材を使用して、根の先端まで隙間なく詰めていきます。

適切に密封することで、根の中が再び感染するのを防ぎ、歯の内部を安定させることができます。この充填が正確に行われていないと再発のリスクが高まるため、非常に重要なステップです。

被せ物の装着

根管治療が完了した歯は、神経を失っているため強度が低下しています。そのままでは割れたり欠けたりする可能性があるため、最後に補強と保護を目的として被せ物(クラウン)を装着します。

根管治療の費用

根管治療にかかる費用のイメージ

根管治療にかかる費用は、治療を受ける歯科医院の方針や治療内容によって異なります。特に保険診療と自由診療のどちらで行うかによって、金額に大きな差が出ることがあります。

保険診療での根管治療は、費用を抑えることができます。一般的には前歯で3,000円~5,000円程度、奥歯で6,000円~1万円程度が目安です(いずれも3割負担の場合)。

ただし、保険適用の場合は、治療の精度や使える材料に制限があります。

一方、自由診療ではよりマイクロスコープなどの精密機器や、高品質な薬剤を使って治療を行うため、1本の歯につき5万円~15万円程度かかるケースもあります。

治療の方法や費用については、事前にしっかりと説明を受け、自分に合った選択ができるようにしておくことが大切です。

根管治療のメリット

根管治療のメリットのイメージ

ここでは、根管治療によって得られる代表的なメリットについてご紹介します。

自分の歯を保存できる

根管治療の最大の目的は、自分の歯をできる限り長く残すことにあります。虫歯や外傷によって神経が損傷した場合でも、適切な処置を行えば、歯そのものを抜かずに使い続けることができます。

人工的な歯であっても、噛む・話すといった機能はある程度回復できますが、天然の歯の感覚やなじみやすさにはかないません。歯を1本でも失うと、ほかの歯への負担が増え、噛み合わせや全体のバランスが崩れる原因にもなります。

根管治療を受けて歯を残すことは、見た目や機能を保つだけでなく、将来的な口腔内の健康を守ることにもつながります。

痛みを取り除くことができる

根管治療は、歯の内部で炎症や感染を起こしている神経を取り除くことで、強い痛みや違和感を根本的に解消する治療です。ズキズキとした痛みも、治療後にはすっきりと和らぐことが期待できます。また、痛みを我慢して放置すると、症状が悪化して治療が難しくなることもあります。

根管治療を受けることで、痛みを取り除きながら、歯を守ることにもつながります。

発音や見た目の維持

前歯など目立つ部分の歯を失うと、笑ったときの印象が大きく変わったり、発音に支障をきたしたりすることがあります。特にサ行やタ行など、舌先を使う発音は歯の位置と密接に関係しています。

根管治療を行って歯を残すことができれば、自然な見た目や話し方を維持できます。機能面と審美面の両方を保てる点も、大きなメリットのひとつです。

根管治療のデメリット

根管治療のデメリットのイメージ

根管治療は大切な歯を残すための有効な治療法ですが、いくつかの注意点やデメリットもあります。ここでは、根管治療を検討する際に知っておきたい代表的なデメリットをご紹介します。

再発に気付きにくくなる

根管治療では、神経を取り除くため、治療後は痛みを感じにくくなります。そのため、万が一再び細菌感染が起こっても、自覚症状が出にくく、気付いたときには炎症が進行していることもあります。

再発を防ぐには、治療の精度だけでなく、治療後の歯の管理や定期的な検診が欠かせません。

治療費が高額になる

根管治療は、保険診療内で受けられることもありますが、より精密な治療を希望する場合や再治療が必要なケースでは、自由診療となることがあります。その際には、1本あたり5万円〜15万円ほどの費用がかかる場合もあります。

また、治療後には被せ物を装着する必要があり、選択する素材によってはさらに費用がかかることもあります。そのため、事前に見積もりや治療内容をしっかり確認し、納得のうえで治療を進めることが重要です。

通院回数が多い

根管治療は、1回の処置で完了することはほとんどありません。感染の状況や根管の形状によっては、数回に分けて丁寧に治療を行う必要があります。平均して3〜5回程度の通院が必要になるケースが多いです。

忙しい方にとっては、スケジュールの調整が難しく感じることもあるかもしれません。

歯の強度が低下する

根管治療を行うと、歯の内部にある神経や血管が除去されるため、歯の栄養供給がなくなり、時間とともにもろくなります。その結果、治療後の歯は割れたり欠けたりすることがあるのです。

そのため、多くの場合は治療後に被せ物で補強する必要があります。歯を長く使い続けるためには、治療後のメンテナンスや噛み合わせの調整も含めて、適切なケアが求められます。

まとめ

根管治療を終えて笑顔の女性

根管治療は、虫歯や外傷などによって神経が傷んだ歯を抜かずに残すための重要な治療法です。歯の内部にある感染源を取り除き、清掃・消毒・密封を行うことで、再び細菌が侵入するのを防ぎます。

この治療には、自分の歯を維持できる・痛みを取り除ける・見た目や機能を保てるといった大きなメリットがあります。

一方で、治療に時間がかかる点や、費用が高額になる場合がある点には注意が必要です。

大切なのは、根管治療の内容を正しく理解し、自分の歯を守るために最善の選択をすることです。不安や疑問があれば歯科医師に相談し、納得したうえで治療に臨みましょう。

根管治療を検討されている方は、由布市庄内町の歯医者「小野歯科医院」にお気軽にご相談ください。当院は、30年以上の経験を持つ院長が一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

一般歯科からマウスピース矯正やインプラントなどの治療も行っていますので、お口のお悩みはぜひご相談ください。当院の診療ページはこちらネット予約も受け付けておりますので、ご活用ください。

小野歯科医院

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